心安らげる「住まい」について

住むを英語で言うとLIVEですが、LIVEは「ライブ」とも発音されます。ライブはライフにもつながり、即ち「住む」ことは「生きる」ことになるわけです。衣・食・住のうち人が一番お金をかけるのが住だとすれば、住は「いのち」に近いものだと言えるでしょう。現代人にとって「住」居はただの寝る場所になっている場合もあるかもしれません。しかし、そうなると何が「主」なのか分からなくなってきます。「住まい」とは人が主となる所だからです。
人が主となる住まいとはどんな所でしょうか。人が活き活きと生きている所ではないでしょうか。友がいて家族がいて、人の営みが、笑顔が溢れている所ではないでしょうか。もし物やお金が主となってしまったら、それは本当の「住まい」とは最早言えないでしょう。名誉や権力が主となってしまったら、その住まいから家族や友は出て行ってしまうでしょう。「人は城、城は人」と言う名言がありますが、住まいを作る人がその人生において先ず何を第一にするかと言う事が重要となってくるのです。
「住む」と「澄む」は語源が同じと言われていて、平常心になると言う意味があります。男はひとたび外に出ると7人の敵を相手にしなければならないわけで、とても平常心を保っていられません。やはり心落ち着けて安らげる「住まい」が必要になってくるわけです。現代人が心を病んでしまうのは、そんな住まいが失われつつあるからではないでしょうか。もう一度私たちは、「住まい」とは何かを考える時期に来ているのかもしれません。
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